株式投資ほか、人気タイトルが続々登場

自社で保有していたら大幅に評価下げをしなければならないような証券を期末だけ一時的に他社に持ってもらい評価下げを回避しようとするものです。
他社に移すときには簿価で移すので損は実現しません。 これによって、本来なら資産と利益剰余金が両建てで減少していたはずの決算処理を回避できたわけですから、「飛ばし」によって、資産の過大表示と利益の過大表示がなされたことになるわけです。
当時、国会の証人として立った政府の高官が「飛ばしも選択肢の1つであることを会社にアドバイスした。 飛ばしは違法ではない」と証言していましたがおかしな話です。

飛ばしが粉飾決算につながるものである以上、金融商品取引法上の虚偽記載の罪に問われるのは当然です。 利益のかさ上げという粉飾決算につながらないとしたら、飛ばしをやる意味がないわけですから。
前に税効果会計のところで説明した繰延税金資産はなかなか厄介な問題があります。 赤字が出たらその税率分、将来黒字が出たときの税金が少なくて済む、という理由で、赤字に伴って赤字の税率分の対税当局請求権が発生したと認識しそれを繰延税金資産という資産に計上します。
それに見合って、損益計算上では法人税等調整により赤字が少なくなり、期末の利益剰余金勘定が増える、ということはすでに説明した通りです。 しかし、この請求権というは、あくまで、将来の黒字に対する税金を減額するという意味での請求権であって、赤字の繰越しが認められる7年間に黒字が出なければ何の価値もありません。
したがって、赤字決算に伴い繰延税金資産を計上できるかどうかは将来の利益見通しいかんにかかっていることになります。 ずっと黒字続きの会社が特別な要因である年に赤字になったというのであれば繰延税金資産を計上することに問題はありませんが、過去赤字だった会社の場合、どのような条件を満たせば繰延税金資産の計上を認めるのかというのは、所詮それが将来の利益見通しにかかっているだけに相当の難問題です。
特に銀行のように一定以上の自己資本比率を維持することが義務付けられている業種の場合、繰延税金資産計上の可否が死命を制するような場面も起こりえます。 現に、足利銀行では2003年3月期には多額の繰延税金資産を計上し、それが自己資本の9割に達していました。
しかし、同年9月の中間決算でこれを全額取り消すことになったため債務超過に陥って破綻に追い込まれ、当時の監査法人の責任をめぐる裁判が起こされました。

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